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ゴールデンスランバー

ゴールデンスランバー』観て来ました~

あらすじ(allcinemaより)- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

仙台に暮らすごく平凡な30歳の独身男、青柳雅春。
金田首相が凱旋パレードを行うその日、大学時代の同級生・森田に呼び出された彼は、
“お前、オズワルドにされるぞ。とにかく逃げろ”と謎の警告を受ける。
その直後、背後のパレード会場で爆発音がしたかと思うと、
なぜか2人の前に警官が現われ、躊躇なく拳銃を向ける。
訳もわからぬまま反射的に逃げ出した青柳は、やがて自分が身に覚えのない証拠によって
首相暗殺の犯人に周到に仕立てられていくことを大量のマスコミ報道で知る。
青柳の元恋人で大学時代のサークル仲間でもある樋口晴子は、
事件の報道に驚き、かつての仲間たちに連絡を取ろうとするのだが…。

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予告の雰囲気からは、事件性を全面に出したスタイリッシュ系の作品に見えたけど
観てみると、やっぱり伊坂作品(って語れるほど本数もみてないし、原作も読んでないですが
人と人との繋がりに重点を置いて描かれた、温かく切ないお話でした~

以下、ネタバレありの感想です↓

事態を飲み込めぬまま、逃亡生活のスタートを切ってしまった、主人公の青柳。

歳相応の走りっぷりとか、釣り用の服(目立つというのにしばらく脱がなくてヒヤヒヤ)の着こなし具合とか、
大学の後輩カズの動揺する素振りにも、とんと気付かなかったりする所とか。
ちょっと呑気で天然?で、人の良いキャラだということが、そういった部分から自然と入ってきました

そんな青柳も、さすがに少しずつ自分が置かれている立場を理解し始めるわけですが、
目の前で起こる出来事をリアルだと受け取れないでいる青柳の反応こそが、リアルすぎて(爆
想像の範疇でしかないけど、“実際こんな状況に置かれたら、こうなるよなぁ…”という人間の仕草に
見入ってしまって、いつしかすっかり青柳目線になっておりました

家族のために青柳をハメた形になるも、最後は生き延びろと言葉を残して死んだ森田、
一度は警察に通じてしまったけど、青柳を信じて守ろうとしたカズ、
青柳のことを報道で知り、ひたすら力になろうとする元カノの晴子、
偶然の出会いから、きまぐれにも青柳をサポートしてくれた殺人犯キルオ、
運送屋のロックな先輩に、学生時代のバイト先の花火師のおっちゃんと息子、
ウソ骨折の裏社会おじいちゃん(笑)保士ヶ谷に、親身になって泣いてくれたお巡りさん、
借りをきっちり返してくれたアイドルの凛香、
そして青柳を信じて疑わなかった両親…(特にオトン!かっこよすぎ!!

青柳を知っている友人や、先々で出会った人たちが、
これほどまでに彼を信じ無償の手助けをするということ。
それは、運良く彼らが動いてくれたわけではなくて、
青柳が生きてきた中で培われてきた、彼の人間としての力なんだなーと。
話の中で描かれる青柳のキャラクターを見ていると、素直にそう思わされるんですよね

・・・もし私が同じ立場になったら、こんな風に奔走してくれる友人、知人、見知らぬ人はいるんだろうか?
そして反対に、もし友人がこんな境遇に陥ったとき、
私は彼もしくは彼女を真正面から信じられるんだろうか…??
映像を見ながら、イヤでも自分のことと重なって、それはもう懺悔のような感情が溢れてきたのでした(苦笑

敵は一体誰なのか何なのか、わからないゆえ恐怖は計り知れないんだけど
それでも“信じること”を武器に進んでいった青柳。
こんな彼だからこそ、屈せずに最後まで生き残れたんだろうなぁ~


で、終盤のエレベーターのシーンが冒頭と繋がった時の「あぁぁー!!」感!(笑
『アヒルと鴨~』や『重力ピエロ』などで馴染みの演出だったというのに、すっかりやられましたね。
他にも、伏線だと気付かせず、さりげなく置かれたエピソードや掛け合いが
後で思いがけずに拾われる気持ち良い箇所はたくさんあったけれど
晴子の娘の“よくできました”スタンプでの落とし方には特にニンマリ

結果として、青柳が“世間的には存在しない人”となってしまったラストは
ハッピーエンドとは言えないけど…
「生きててナンボだ」という森田の言葉や、“よくできました”スタンプに救われたような
青柳の顔を見たら、やるせなさすぎるけれども、これがベストだったのかな…と思えましたね。

黒幕が誰だとか、警察はどこまで知っていたのかとか、モヤっとする部分は正直あるけど
そっちに焦点を当てずとも、人間ドラマとして満足がいったし、突っ込むのはやめとくか~
と、そんな感じでしたわ(笑
笑いもあって、ジーンと来て、ちょっと泣けて。
見ながらも、見終わってからも反芻して楽しめる、良い映画だったと思います。


個人的には晴子が娘に言う「親子だねぇ~」がツボでした
あんな母娘、いいなぁー。旦那には悪いかもだけどね(笑

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